研究について

研究について

タンデムマス・スクリーニングの対象にOTC欠損症等を追加するためのパイロット研究

島根大学医学部小児科では、次の研究を行います。

1. 研究の目的

新生児マススクリーニングとは、知らずに放置してしまうと、いずれ神経学的な後遺症や突然死などの重大な健康被害が生じるような病気で、かつ発症前に見つけて治療を開始することで障がいを防げるような病気を、発症前の新生児期に見つけて予防する公的な事業です。現在、島根県で出生した赤ちゃんは島根県の事業として25種類の生まれつきの病気について検査を受けることが出来ます。島根大学医学部小児科は、この検査を改良し、これまで検査が難しかった病気のスクリーニングを同時に行う事が出来るようになりました。この研究では新たに改良された分析方法によって実際に対象とする病気(OTC欠損症という尿素サイクル異常症という病気のグループです)を早期に見つける事が出来るか、という事を確かめる事が目的です。

2. 研究の意義

今回、早期発見をしたいと考えている病気は、尿素サイクル異常症という生まれつきの病気のなかの1つです。この病気は身体にとって有害なアンモニアを肝臓で解毒して尿の中に排泄できるように変換する仕組みに生まれつきのトラブルを抱える病気です。血中のアンモニア値が上昇すると非常に危険で、意識障害やけいれん、生命の危険を伴うこともしばしばあります。本研究でこのような病気を持つ赤ちゃんが症状を出す前に発見する事を目的としており、先に述べたような症状を起こす前に適切な治療を受けていただき、予後を改善したいと考えています。

3. 赤ちゃんへの負担など

本研究は通常行われる新生児マススクリーニングにおけるタンデムマス検査に追加して行うため、新たに赤ちゃんへの負担はありません。

4. 方法

島根県で出生する新生児のうち、本研究に対して保護者の同意が得られた新生児を対象とします。現時点では研究期間は2年(2020年3月末まで)を予定しています。

本研究では、通常の新生児マススクリーニングで使用される血液ろ紙(ろ紙に血液を染みこませて乾燥させたもの)を用います。その他に赤ちゃんの生年月日や採血日、出生体重、性別、お母さんのお名前、連絡先住所・電話番号をお知らせいただきますが、お名前や連絡先などの個人情報は結果のご報告時のみに利用し、それ以外に使用することはありません。

また、本研究で行うスクリーニング検査で陽性となった場合であっても全ての赤ちゃんが病気であるわけではありません。精密検査の結果、一時的な異常値である場合もあります。本研究では異常値が認められた場合、他の新生児マススクリーニングの対象疾患と同様に採血医療機関を通じてもう一度血液ろ紙での採血をお願いします。2回目の検査でも高値が続く場合には通常の新生児マススクリーニング検査と同様に精密検査が必要である旨をお知らせします。精密検査となった場合、島根大学医学部附属病院小児科に受診いただき、それらを詳しく検査させていただきます。

5. 情報・試料の管理

本研究では使用した血液ろ紙は、データ測定後、将来の新生児マススクリーニング関連の研究のため保管することに対して保護者の同意が得られている場合は島根大学医学部附属病院で10年間保存します。この同意が得られていない場合は、本研究以外に試料を使うことなく、3年後に廃棄します。

研究によって得られた結果は専門の学会や雑誌に発表する予定ですが、その際もお子さんやご家族の個人を識別できる情報は一切使用することはありません。個人情報は厳守します。

6. 費用について

本研究は日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業研究「タンデムマス・スクリーニングへのオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の追加、およびムコ多糖症の新規スクリーニング法の開発および適応に関する研究」の補助を受けて実施しています。本研究で行う検査費用はこの研究費でまかないますので、研究に参加することで金銭的な負担が増える事はありません。また、本研究にご参加いただく事での謝礼等はありません。

他の外部団体から研究資金等の提供を受けていませんので、本研究に関する研究者の利益相反はありません。

7. 遺伝カウンセリング体制について

病気のこと等に関して、不安に思うことがあったり、相談したいことがある場合に備えて、島根大学医学部附属病院では遺伝カウンセリングを受ける事ができます。ここでは、遺伝カウンセリング担当者があなたの相談を受けることが可能です。ご希望の際はご相談ください。

8. 研究への参加方法と参加の取り消し

研究への参加は保護者の方のお考えでお決めください。参加を希望される場合は、新生児マススクリーニング検査の案内に添えられている研究用の同意書に保護者の方がご署名ください。一旦同意された後で撤回することもできます。研究に参加されなかったり、同意を撤回しても不利益が生じることはありません。

9. 連絡先

本研究についてのお問い合わせは、次の連絡先にお願いします。

研究代表者 島根大学医学部附属病院小児科・助教 小林 弘典

連絡先: 島根大学医学部小児科
電話 0853−20−2219(医局)
FAX 0853−20−2215(秘書室)

10. 研究参加施設

本研究は以下の施設が参加しています。

  • 島根大学医学部附属病院
  • 松江市立病院
  • 松江赤十字病院
  • 雲南市立病院
  • 町立奥出雲病院
  • 島根県立中央病院
  • 大田市立病院
  • 公立邑智病院
  • 独立行政法人国立病院機構浜田医療センター
  • 社会福祉法人恩賜財団島根県済生会 江津総合病院
  • 益田赤十字病院
  • 隠岐広域連合立隠岐病院
  • 家族・絆の吉岡医院
  • たがしらレディース・クリニック
  • マザリー産科婦人科医院
  • 松陽台佐藤クリニック
  • 江田クリニック産婦人科
  • 吉野産婦人科医院
  • 城北産科婦人科クリニック
  • 生協きらり助産院