研究について

研究について

アジアにおける有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症ならびにアミノ酸代謝異常症の疾患多様性の検討

研究の対象となる方

 2000年から2015年の期間内に日本国内ならびにアジアの国々(インド、ベトナム、中国、インドネシア、モンゴル、タイなど)から島根大学医学部小児科に先天代謝異常症の分析依頼をされ、ガスクロマトグラフィー質量計やタンデムマス質量計を用いて先天代謝異常症と診断された方

研究の目的・意義

 先天代謝異常症は有機酸代謝や脂肪酸代謝、アミノ酸代謝などに関わる酵素に異常をきたすことによって生じる生まれつき(先天性)の疾患です。先天性代謝異常症自体は極めてまれな疾患ではありますが、いったん発症すると重篤な合併症を引き起こしたり、突然死の原因となることがあるため、世界中でタンデムマス質量計を用いた新生児スクリーニング(拡大新生児スクリーニング)によって発症前診断されるようになっています。しかしながら、アジアの多くの国々では拡大新生児スクリーニングを導入しておらず、どのような疾患が多いのかといったことさえも分かっていません。
 本研究では、島根大学医学部小児科に先天代謝異常症の分析依頼をされて先天性代謝異常症と診断された方のデータを用いて、アジアの国々でどのような先天性代謝異常症が多いのかを明らかにするものです。
 得られた結果は、アジア各国で新生児マススクリーニングのパイロット研究が始まる際には、スクリーニングの対象疾患を選択する上で非常に有用な資料になると考えられます。

研究の方法

 本研究では、2000年から2015年の期間に島根大学医学部小児科学講座に検査依頼のあった39,261例のうち、質量分析で先天代謝異常症と診断された1,194例を対象に以下の方法で行います。
 島根大学医学部小児科学講座にある専用のデータベースから、依頼した医師の所属国、提供された検体の種別(乾燥ろ紙尿、乾燥ろ紙血、または血清)、検査依頼された日時年、診断された疾患名、GC/MSならびにMS/MSの検査所見のデータを収集します。
 島根大学医学部小児科学講座内の既存の情報のみを用い、人から取得された試料を用いません。収集したデータは匿名化し取り扱います。研究結果公表の際にも、個人の特定につながる可能性のある情報は一切用いることはありません。

研究の期間

2017年10月~2018年9月

研究組織

この研究は島根大学医学部小児科学講座が行います。
研究代表者(情報の管理責任者):
島根大学医学部小児科学講座/島根大学医学部附属病院周産期母子医療センター 助教  柴田直昭

参加研究機関
[研究機関] [研究責任者]
島根大学医学部附属病院小児科 柴田直昭

試料(検体)・情報の利用停止

 ご自身の試料(検体)・情報をこの研究に利用してほしくない場合には、ご本人または代理人の方からお申し出いただければ利用を停止することができます。
 なお、利用停止のお申し出は、2018年3月までにお願いいたします。それ以降は解析・結果の公表を行うため、情報の一部を削除することができず、ご要望に沿えないことがあります。

相談・連絡先

 この研究について、詳しいことをお知りになりたい方、ご自身の試料(検体)・情報を研究に利用してほしくない方、その他ご質問のある方は次の担当者にご連絡ください。

研究責任者:
島根大学医学部小児科学講座/附属病院周産期母子医療センター 柴田直昭
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
電話 0853-20-2219  FAX 0853-20-2215